banner_pussylog_top | Home | Military | Trekking | Gourmet | Life | Contact |
<<  2013年 8月  >>
August 23, 2013


やぁ、諸君。私がプッシー大尉だ。

ビジネスのため秋田に移動しなければならない私は駅の自動券売機へ。

私は新幹線に指定席で乗るのを好まない。指定席の車両では、混み具合には関係なく、私の隣の席を指定された客は当たり前のように私の隣の席に座ろうとするだろう。

自由席の場合、ちょっとだけ早めに行って自分好みの席をとってしまえば、よほど混んだ車両でない限り敢えて私の隣に座ろうとする客はまずいない(もちろん後から乗り込んで来る乗客の皆さんとの「心理戦」というプロセスは必要だ)。

結果的に私は自分のお気に入りの席で誰に気を使うでもなくリラックスして長旅を楽しむことになる。


そしていつものように自由席のチケットを購入しようとした私は、秋田新幹線が全席指定である事を初めて知った。ちっ、面倒だな。仕方なく指定席券を買おうとした私に券売機が「買え」と促して来たのは「立席特急券」という見慣れない名前のチケットだった。

私が乗らなければならない列車は、どうやら既に「満席」のようだ・・・。





四時間立ちっ放しという事実を突きつけられて、さすがの私も少々動揺する。自由席の車両が一両でもあれば絶対に起こりえない「トラブル」だ。そもそも全席指定なんだったら、もっとその事実をしっかりと(要するに私がその事に気づくように)事前に周知しておくべきだ、と思いかけて私はやめた。

目の前の状況を誰かのせいにして不平をたれる事にエネルギーを注ぐ人間と、そいつを楽しむ方法を考える作業にさっさと取りかかれる人間との違いこそ、私が軽蔑するタイプの人間と、この私との違いじゃないか。


私が東京駅のホームで駅員を捕まえて手に入れたばかりの「立席特急券」を見せ、では私は車両のどこに立っていればいいのか、と聞くと、駅員はまるでそれは全て自分の責任だとでも言わんばかりに申し訳なさそうに、デッキに立っててもらいたい、と言った。

私は早速、私が乗るべき車両の到着を待つ行列に並び、車両が到着するや否や乗り込んで行ってデッキの一画を占領した。

哀れなことに、私とは別にお婆さんと孫らしき少女の二人組も「立席特急券」での長旅を強いられているようだった。気の毒だが私が二人にしてやれる事は何もない。


大宮を出れば次の仙台までは一時間以上かかる。その間ひとの乗り降りはない。私は早速デッキに座り込んで東京駅のホームで買っておいた「サバ寿司」を掻き込んだ。「立席」とは書いてあっても私に与えられたスペースでどんなポーズをとっていようが私の勝手だ。ふむ、こいつはいい。独り占めした床にあぐらをかいて誰に気を使うでもなく「サバ寿司」なんて、ちょっと風流じゃないか。

私がたしか三貫目の「サバ寿司」に箸をつけようとした頃に、車掌が通りがかってお婆さんと孫に何事か話しかけ、そのまま二人を客室へと連れていった。たぶん空いてる席を見つけて案内してやったんだろう。話の分かる車掌じゃないか。

私はどうしようか。登山用具を詰め込んだニ〇キロ級のキャリーバッグを引いて混みあう車両の一画にわざわざ移動するのも面倒だな。それにこの場所はそろそろが私の「お気に入り」になりつつある。よし、私は車掌の親切には丁重に礼を言いつつ、その申し出は断ることにしよう。

そして車掌がまた現れたとき、もちろん私にも一声かけてくれるもんだと思っていたら、車掌は私には見向きもしないで行ってしまったので私は少し傷ついた。


後で分かった事だが、明日は大曲で花火大会があるらしい。平日の昼間に秋田に向かう新幹線が満席だなんてどうもおかしいと思っていたが本当に迷惑な話だ。


その四時間の旅はなかなか快適だった。私がノートパソコンを開いたり、本を読んだり、荷物に足を投げ出して仮眠をとったりしているうちに列車は秋田に着いてしまった。ビジネスの約束の時間に遅れることもなく、それをさっさと終わらせた私は、豪雨をものともせずホテルから歩いて「秋田長屋酒場」へ。


秋田の郷土料理は「全て揃っている」と豪語するその店に入ると、歓迎のしるしに太鼓を叩かれる。カウンター席に着いた私は、その内容を予習しチェックしておいた「郷土料理」の名前を次から次に挙げて注文した。

「いぶりがっこ」は燻製にした沢庵。





「とんぶり」はキャビアのような食感をした粒々の草の実。





「あみこ茸」というキノコの煮付けは少々塩辛いが酒の肴にはもってこいだ。





ハタハタの一夜干し。こいつは美味かった。

ししゃもみたいに頭から丸ごと頂ける。





「ギバサ」とはアカモクの現地語で、ヒジキと同じホンダワラ科に属する海藻の一種だ。





かき混ぜればかき混ぜるほど粘り気が出る。その喉ごしは秀逸だ。





「寿司はたはた」。

握り寿司をイメージして注文すると「何だこれは?」となる。





〆は「きりたんぽ味噌田楽」。

食事というよりおやつに丁度いい。





あれもこれもと注文していたので結構な金額になってしまった。





※詳細 → プッシー大尉烈伝 [美食編/秋田長屋酒場 秋田駅前店]


何か質問は? OK。諸君の健闘を祈る。

以上だ。
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
>>> 最新の記事へ


<<< 前の記事へ


次の記事へ >>> 
Copyright (C)2011 Lt.Pussy All Rights Reserved.