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August 10, 2013


やぁ、諸君。私がプッシー大尉だ。

西条までやって来た私が石鎚山に登ることなくこの地を後にするなんて事はありえない。レンタカーを借りて一路ロープウェー乗場へ。

山頂の駅に着いたのは一〇時前だ。気温は標高一三〇〇米地点でも摂氏ニ七度。





下界に比べれば幾分ましとは言え率直に言って暑い。駅舎で小用を足したり売店で売られているカブト虫を観察してから出発したのはちょうど一〇時。

一五分ほど歩いて成就社に到着。形ばかりの参拝をしておみくじを引いたら「小吉」。





鳥居をくぐって登山道に入る。「登山道」のくせにしばらくは下り坂だ。ニ〇分ほど下って「八丁鞍部」に着いた先から、いよいよ登りが始まる。

石鎚山は基本的に「階段を登る」山だと形容されるべきだ。登山道の整備が行き届いているとも言えるが、私にとっては全くいい迷惑だ。普通の坂道なら最短の動きでステップを踏む事が出来るが、なまじ階段なんてものがあるとその分余計に脚を上げなければならない。

周りにほとんどハイカーがいないのをいい事に、ぶつぶつ文句をたれながら三五分ほど歩いて「度胸試しの鎖」の取っ付き地点に到着。





一般的に山で見かける鎖より一回り太くて逞しい鎖だ。この鎖場は登りよりも岩場の反対側の下りがきついので自信がなければ素直に巻き道を行け、といった内容の注意書きがあって、さっき私を抜いて行ったばかりの先客グループは、それを見てそそくさと巻き道の方へ行ってしまった。

少しばかりの小休止を兼ねて水分を補給してると、もう一組のグループが現れたが、彼らもその注意書きを見て巻き道へと消えた。私は何だかいけないことをしているような気分でその鎖に取っ付かなければなならなかった。

始めはスパイダーマンよろしく軽快に登って行った私だったが、程なくして適切な足場が見つからずに頭を悩ませるようになった。実際にそこを登る人々がそうしているのかどうかは分からなかったが、仕方がないので私は鎖の継ぎ目の輪っかを足場にしながら登る事にした。

たぶんその長さ四八米の鎖を登りきるのに私は五分以上も時間を費やしてしまったようだった。おまけに暑さのせいもあってそれを登り切った頃には肩で息をしているような始末だった。この鎖場を登りきるのに度胸は大して必要なかったが、相応の腕力と体力が必要な事は間違いなかった。

ちなみに鎖を登り切った岩のてっぺんは「前社森」という。敢えて苦難の道を選んだハイカーはその功績により、そうしなかった人々を随分と上から見下ろすという特典が与えられる。





私がそうしたのを見たからかどうかは分からないが、後続のハイカーたちはどんどんこの鎖場を登って来た。一五分ほどそこで過ごした私は喧騒を避けるようにその場を後にした。

ちなみに下りの鎖場がきついと注意書きにあったが、多少でも鎖場をかじった事のあるハイカーたちにとってそれは当てはまらないだろう。明らかに下りの方が足場は豊富だ。


前社森からはニ〇分ほどで「夜明峠」に到着。残念ながら目指す天狗岳はガスで見えない。





夜明峠から一〇分ほどで「一ノ鎖」の取っ付き地点。もう十分に暑さと階段のせいでへばってしまった私はおにぎりを頬ばりながら暫く休憩。





「一ノ鎖」は三三米と最も短い。あっさりクリアしたものの、私にとって熱中症の初期症状である「頭の血がドロドロした感じ」を発症。気づかない事にして前進を再開、「ニノ鎖」の取っ付き地点に到着。

「ニノ鎖」は長さ六五米。





ここでは先客がいい感じでもたついてくれたので、休憩を挟みながらゆっくりと登る事が出来た。


いよいよ「三ノ鎖」を上りきれば山頂だ、と思っていたら、「三ノ鎖」は工事中で使用不可。

迂回路は私に対する嫌がらせとして最強レベルを誇る鉄製階段。





弥山山頂には一三時一〇分に到着。前社森や鎖場の手前で随時休憩を挟んでいるとは言え、標準タイムより一〇分遅れ。





もっとも、私にとって石鎚山の山頂とは最高点である「天狗岳」のてっぺんにほかならず、弥山はただの通過点に過ぎない。ハイカーたちで賑わうそこをさっさと素通りして私は一路「天狗岳」へ。

弥山から天狗岳に至る稜線は、私の持っている古いガイドブックによれば「ナイフリッジ」と紹介されているが、私がその権限を以って正確に表現するならば、れっきとした「尾根道」だ。ただ一部だけ、崖に向かって斜めに切れ落ちた露岩部を通過しなければならず、ハイカーによっては足のすくむ思いをする事もあるだろう。





コース上、概ね稜線部にあたる「岩」の南側には巻き道が付けられている。多くのハイカー、と言うか、私が目にした全てのハイカーはそちらを歩いていたが、プロセスを重視するハイカーなら堂々と岩の上を歩こうとするだろう。必要と思われる箇所には十分過ぎるほど足場も手がかりもしっかりとある。

天狗岳(一九八ニ米)に到着した私はさっそく三脚とカメラを取り出して記念撮影だ。





南尖峰まで足を延ばして山頂を独り占めしながら昼食。二人組のハイカーがやって来たので挨拶を交わして早々に退散。


帰路はロープウェーを使わず天柱石を経由して西之川まで歩いて下るつもりで夜明峠へ。八丁方面に戻る道を分けて右に折れる道に足を踏み入れた私は三歩進んだところですぐさま引き返した。

トミーのおかげでトラウマを抱えた私にこんなヤブ道は荷が重過ぎる。





実に四.五リットルも持ち込んだ水分も全て使い果たし、暑さと階段のせいでよれよれになりながら成就社まで辿り着いた私は、たまらず売店に駆け込んで「みぞれ」味のカキ氷を注文。その美味かったことと言ったら何に例えればよいのか私にはさっぱり見当がつかない。





ただし、それまで熱中症寸前まで体温が上昇していた体にいきなりカキ氷をたらふく掻き込んだ事で、私の体温は一気に下降して肌寒さまで感じた。代謝や心臓の働きに問題のあるハイカーはたぶん私のまねをするべきでない。

どこかの国の首相のように、すぐにお腹を壊すような人々も同様だ。


充実したハイキングを終えて西条のホテルに戻った私は、早速パソコンをインターネットに接続して、どこで夕食をとるべきかのリサーチを開始した。

色々調べてみたが、地方の寂れた町ではありがちなように、どうも私をして是非訪ねてみたいと思わせるような適切な店が見つからない。

面倒くさくなった私は、たったニ九〇円でラーメンを提供しているという経営努力を意気に感じて「天風」というラーメン屋を訪問してみる事にした。

注文したのは「とんこつしょうゆラーメン」。それだけではちょっと物足りないかと「味玉(一〇〇円)」をトッピング。





それが私の手元に届けられるまで全く想定してなかったのだが、まずニ九〇円のくせに味玉が半個分はじめから乗せられてるじゃないか!

そしてニ九〇円のくせに麺は全て自家製の無添加らしい。ニ九〇円のくせに叉焼もきくらげも全く手抜きを感じない。そしてスープも申し分ない。

そのラーメンより美味いラーメンを提供する全国のラーメン屋を私はたしかに何件も知っている。だがそれをニ九〇円か少々甘く評価してもそれに近い値段で提供出来るなんて店すら、私の知る限り皆無だ!私は必ず明日の夕食にもこのラーメン屋を訪問する事を固く心に誓った。


※詳細 → プッシー大尉烈伝 [美食編/ラーメン天風 西条店]


何か質問は? OK。諸君の健闘を祈る。

以上だ。
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