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TRU-SPEC H2O Proof ECWCS Trouser
TRU-SPEC H2O Proof ECWCS Trouser      【 Data 】


     Used since 2011.08.13 at Mt.Kumotori

     Price : $ 99.99

     Size : Medium/Regular

     Color : MULTICAM

     Link : http://www.atlanco.com/

「TRU-SPEC」はアトランタ州に拠点をおく軍用品メーカー ATLANCO 社(旧 Atlanta Army Navy Company)の軍用衣料ブランドだ。同ブランドの製品は内外の各軍や法執行機関に納品されており、ATLANCO 社は軍用衣料の分野に於けるリーディングカンパニーである、と彼らのホームページには書いてある。

私が駆け出しのハイカーだった頃、私がかつて尊敬していた「隊長(山ガールと懇意になって結婚する、という目標を達成した彼は、それから山に見向きもしなくなった)」に、ハイキングには必ず雨具を持参しなければならない、と厳しく教えられた私は、登山用品を扱っているオンラインショップを二、三件覗いて見たが、それらのサイトに掲載されていた「ゴアテックス」を主流とする撥水透湿素材をベースとした色とりどりのレインウェアは、デザインが私好みでないうえに値段がべらぼうに高くてちっとも買う気にならなかった。

そんな時に、サバイバルゲームに興じるために必要な軍用装備をちょくちょく買い足していた私が、海外のミリタリーショップのサイトで見かけた、防水、防風、透湿性のすべてを実現したという「軍用規格」に準ずるイカしたパーカーに関心を示さない理由はどこにもなかった。米軍仕様の「全天候型パーカー」なんて、本当にクールでまさしく私にぴったりだ!だったらパンツも同じシリーズでお揃いにしなければ!

マルチカム迷彩のカラーを選んだ事に深い意味はない。その頃、サバイバルゲームの仲間内で流行ってたとか、ちょうどアメリカ陸軍に採用されたされないなんてニュースが話題になっていたとか、そんなレベルの話だ。私が山登りに迷彩服を着用して臨む事に関しては、これまでにもいろんな意見を拝聴して来た。遭難してしまった時に見つけてもらえないじゃないか、という意見が主なものだが、遭難した時、誰かに見つけてもらうためにやたらと目立つ衣装で山に出かけるという生ぬるい思考、発想が私のそれとは相容れない。遭難したらもう誰にも見つけてもらえないんだから全知全能を賭してでも無事に下山してやるぜ、というのが私流のものの考え方だ。

正直なところ、カタログの写真を見た私はこのパンツが「防水性能を有した」普通のパンツだと思っていた。つまり、雨の日にはもちろんそいつを履いて行けばいいし、雨が降ってない日でもそいつを「普通のパンツ」として履いて行けば、不意に雨に降られる事があっても私は何の対処を迫られる必要もないし、雨に備えてわざわざ「レインパンツ」をパックに詰めて行く必要もない、そんな夢のようなパンツだと思っていたので、私が注文した現物がはるばる太平洋を渡っていよいよ私の手元に届いたその日のうちにダンボールの封を開けてそいつを手にとったとき、私は愕然とした。

つまりそいつはあからさまに「普通のパンツ」とは異なる、直接肌に触れるといかにも不快そうな素材で作られていて、しかもポケットのタブをめくってもそこにポケットはなかった。要するにそいつは、まず手持ちの普通のパンツを履いて、その上から着用する事を前提にデザインされた一品だった。ポケットタブは、一枚下に履いてるパンツのポケットにアクセスしやすくすると同時にそのポケットを雨風から守るために縫い付けられたものだった。そいつはたしかに知性と創造力に富んだ偉大なるデザイナーによる素晴らしい工夫だと私は思ったが、それと同時に、そいつは大海を隔てた場所に暮らす善良な一消費者に誤解を与えるという好ましくない影響をももたらした。

とは言っても、レインウェア、或いは防寒着として割り切ってしまった時、私はこのパンツの機能には概ね満足している。ブーツを履いたままでも履いたり脱いだりできるように裾は広めにデザインされているうえ、裾周りのジッパーを開けてやればさらにその作業は容易になる。さらに裾に縫い付けられたパイルテープで裾を足首周りに合わせて絞る事も可能だ。その仕組みはゲイターと併用する事で、足首周りから水や雪が侵入してブーツの中がぐしょぐしょになる事態をほぼ完全に防いでくれるだろう。

ベースとなるのは「DINTEX」という特殊フィルム素材で、「ゴアテックスと同等の」撥水性、透湿性があるかのように謳われている例をよく見かけるが、私はゴアテックス製のいかなるウェアも試してみた事がないので、ゴアテックスと比較した場合の優劣に関するコメントは控える事にする。少なくとも私がこれまでにそれを使って来た範囲に於いて、防水性、防寒性に関する不満はない。「透湿性」に関しては、パーカーと同じ理由で、私はあまりその恩恵に浴していない。そいつは私には必要のない機能だ、と割り切ってしまえばいい事だ。

ウエストサイズが 30 インチ(≒76 センチメートル)と客観的に見てとてもスリムなプロポーションであるにも関わらず、少々ケツがデカい私が選んだサイズは「Medium/Regular」だ。そのサイズで「普通のパンツ」の上に穿いても全く問題はない。ウエストはゴムで調整できるようにデザインされているが、私が穿くと随分とゴムが余ってしまうので、ひょっとするとウエストが私よりかなり太いハイカーでも穿けるのかもしれない。


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