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いちにいさん 札幌ステラプレイス/きびなご刺し盛り

【 Data 】

北海道札幌市中央区北五条西2丁目 札幌ステラプレイス6F [MAP]

TEL:011-209-5123

営業時間:11:00〜22:30(L.O.21:45)

定休日:不定休(ステラプレイスに準ずる)

最終訪問:2013.02

私が札幌に立ち寄った際は必ず訪問する根室花まるで三〇人を超える従業員とそこで食事をしたさらに多くの不運な人々があの恐ろしいノロウィルスに感染した事が発覚したために、私がある日夕食のためにそこを訪れると花まるは営業自粛中だった。ほかに夕食をとるあてのない私は暫し呆然とその場に立ち尽くした。

もう少し発覚が遅かったら私が下痢に苦しんでのたうち回ってたかもしれなかったんだから私はむしろツイてるじゃないか、と気を取り直した私が同じフロアに何件も立ち並ぶ飲食店からこの店をチョイスしたのは、きびなごを刺身で提供しているという店頭の貼り紙に魅かれたからだ。温暖な沿海地方の人々以外にあまり馴染みがないと思われるその小魚は私の地味な好物のひとつでもある。

あまり深く考えずに店内に足を踏み入れようとした私を目ざとく見つけた店員が奥から現れたとき、私は店頭のほかの貼り紙を見てこの店が「鹿児島料理」の店である事に気づいた。何で札幌まではるばるやって来た私がまるで国土の正反対に位置する鹿児島の郷土料理なんか食わなきゃならないんだ?と直感的な疑問が湧いたが後の祭りだった。私は店員に導かれるままに店の奥のテーブル席に着席した。

メニューに目を通した私はとりあえずビールのあてに「黒豚どうふ」というやつをオーダーした。それからもちろんきびなごの刺身、あと私の大好物の角煮もだ。ほどよいタイミングで運ばれて来た「黒豚どうふ」は二八〇円という安価な酒の肴としては上出来だった。もちろんきびなごも期待通りだ。六〇〇円の角煮に至ってはあまりのプリプリ加減に私は感動のあまりうめき声すらもらした。

最後に私はビールをさらに一杯、それからきびなごのフライまで注文した。その小魚のフライはあまりに上質なので、私は香りを楽しむためにソースではなく塩でそいつを頂いた。腹も膨れた私はオーダーストップを告げに来た感じのよい女性店員に会計を頼んだ。散々上質な料理を私に味あわせておきながら、三三七〇円という値段は私を少しばかり驚かせた。札幌でそれを食ったという事実は最後まで私に釈然としない思いを抱かせたが、私はこの店の提供する「鹿児島料理」に敬意を覚えて店を出た。
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