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Black Diamond Serac Strap
Black Diamond Serac Strap      【 Data 】


     Used since 2013.05.08 at Mt.Tateyama

     Price : $ 127.96

     Size : -

     Color : -

     Link : http://eu.blackdiamondequipment.com/

もう何年も前に、私は鳥取へとビジネスのために出かける予定があり、せっかくなので伯耆大山にハイキングに出かけようと計画し、情報収集にとりかかった事があった。そのビジネス旅行は三月に予定されていて、前年の実績を見る限り山頂を目指すのであれば最低でもクランポンは持参した方がよさそうだったので、私はこの「SERAC STRAP」をアメリカのアマゾンで注文した。当時ドル円のレートがだいたい1ドル80円程度だったので、20ドルほどの専用ケースをつけて送料を考慮しても日本のショップで円建てで購入するよりも安上がりだった。

ところが結局その鳥取でのビジネスはお流れになってしまったので、私の「SERAC STRAP」はそのまま私の寝室の隅でしばらく埃をかぶっていなければならなくなった。私が「SERAC STRAP」をベランダに持って行って初めてその履き方の練習に取り組んだ時には、既に一年以上の歳月が流れていた。

私がこの「SERAC STRAP」をチョイスするにあたって何か特別な理由があったわけではない。始めから「一二本爪」にしておけば物足りなくなってもう一足買う羽目にならなくてすみそうだし、そのスペックでそこそこ、それこそ私でも耳にした事のあるような名前の知られたブランドの製品をいくつか比較したら「SERAC」が一番安かった、とかそんな理由だったろう。

ワンタッチ式ではなくてストラップ式をチョイスしたのにはもちろん理由がある。私は冬山に行くためにわざわざ冬山用のブーツなんて購入する気がなかった。つまり、たぶんそんなハイカーはなかなか見つからないと思うが、通気性を確保していつだって足を「涼しい」状態に保つために表面にメッシュ地すら採用している Merrell 製の Chameleon にクランポンを着けて冬山に登ろうというのが、登山を始めてそう日の経っていないありし日の私が構想した私流の冬山の楽しみ方だった。その考え方は今でも変わっていない。冬山専用のブーツを履いて行かなければ足が凍死してしまうような厳しい気象条件の山になんて、すき好んでわざわざ「行かない」のが私にとって最良の選択だ。

Merrell 製の Chameleon にクランポンを着けて問題なく凍結した山道を歩いて行けるのか、という疑問をぶつけられたなら、私は実際の経験に基づいて「全く問題ない」と答えるだろう。ただし、それは「私がそうする範囲に於いて」という条件付きの回答だ。私にとって問題がなかったからと言って、それが他人に当てはまるかどうかなんて私が負うべき責任の範疇を超えている。

ところで実際、私が初めて「SERAC STRAP」を着けて立山の一の越から雄山の山頂を往復したとき、私は足の保温のために Merrell の上に着けたオーバーブーツのさらに上から「SERAC STRAP」を着けてその課題に挑んだので、私は何度も踵から抜けた「SERAC STRAP」を片手に急斜面を這うようにして、多少は安全にもう一度「SERAC STRAP」を着け直せる岩場まで這って移動しなければならなかった。Merrell の表面を覆うスエード地はざらついているので、それが適切に締められている限りストラップが滑り抜ける事はないだろう。だが私のナイロン製の「とても暖かい」オーバーブーツは踵部分が丸く滑らかな形状をしている事もあって「SERAC STRAP」との相性は最悪だった。

インターネット上には、「SERAC STRAP」のストラップが長過ぎるので、それをちょん切って使っているユーザーのレビューを見かけるが、何てもったいない!私は立山での出来事を教訓に、余長部分をさらにアキレス腱側に回してもうひと縛りしてやる事にしている。その方がより踵側のホールド感が増して安心だし、そうする事でオーバーブーツの上からだって外れなくなる事を私は立山で発見した!

「SERAC」シリーズのもうひとつの特徴として、刃がステンレス製である事が挙げられる。「SERAC」の利点をよく理解しないまま入手した私にとっては実にラッキーな事だが、ステンレス製はそれまで主流であったモリブデン鋼よりも錆びにくいらしい。いつも「OK。明日こそは靴の手入れだ」と何度も決意新たにしているうちに次のハイキングの日がやって来てしまう私のような面倒臭がりにはうってつけじゃないか!


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