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July 9, 2015


やぁ、諸君。私がプッシー大尉だ。

夜中に用を足そうと寝ぼけ眼で便器の蓋を開けたらオスのカブトムシが腹をこちらに見せてチャプチャプ暴れながら水たまりに浮いていたので、私は一気に目が覚めて思わず怒鳴り声をあげた。「何だお前は!?」


はっきり覚えてないが、後から思えば私がまさに放尿しようと右手でペニスをつまむ直前に私のすぐ横を一陣の風が吹き抜けたような気もする。つまりそいつは私に発見されるまで何時間もそこで溺れていたわけではなくて、たぶん私とほぼ同じタイミングで便所に侵入して来て、それから間もなく悲劇に見舞われたんだろう。

とにかく私の尿道を勢いよく小便がほとばしる前に彼を発見できたことは幸運なことだった。私にとっても、もちろん彼にとっても。私は「小便小僧(あやうく私の聖水まみれになるところだった彼にぴったりの名前だろう?)」を素手でつまみあげて、既にある四つの飼育ケースのうちのひとつに放り込んでから用を済ませ、忘れずにいつもより丁寧に手を洗ってから眠りについた。


いま私の自宅では四つの飼育ケースに二〇匹前後のカブトムシが暮らしている。(小便小僧以外は)すべて卵から育てた連中だ。と言っても、ほとんど世話をすることなく直射日光がなるだけ当たらない部屋の隅に放っておいただけだが。

去年それぞれのママが卵を産み付けた飼育ケースは二つあって、そのうちのひとつは羽化に成功したやつらのなかでも特に身体が大きく美しい色艶をした一匹のオス専用にあてがわれていて、私はそれを「王様ハウス」と呼んでいる。





さらに「王様ハウス」には、これまた体格に恵まれた「お妃様」として迎えられるにふさわしいメスを同居させているのだが、たまにややみすぼらしい「平民」レベルのメスが「王様ハウス」をうろついている事がある。私によって計画的な部屋割りが為された後でひょっこり地上に姿を現した遅生まれのメスたちだ。

まぁたまには「お妃様」にも休息が必要だろうし、王様にも気分転換が必要な夜だってあるだろう、という理由で、私は彼女たちをハウスから追い出さないことにした。


もう一方のケースには下々の身分のメスが少なくとも五匹は暮らしているはずだが、彼女たちはあまり地上に姿を現さないので正確な頭数が分からない。

さらにその小屋には二、三日周期の入れ替わりで二匹前後のオスが投入される。たまたまメスが地上に姿を現すタイミングと重なることが出来たオスには夜のお楽しみが待ってるって寸法だ。


このケースは私によって文字通り「繁殖小屋」と命名されている。





残る二つは、先月あわててアマゾンで注文した新しい飼育ケースで、どちらもオス専用の「待機小屋」になっている。


メインの「待機小屋」の定員は五匹だ。





理屈上、特にオスの多頭飼いはよくないとされていて、実際のところエサ場はちゃんと五ヶ所設けているにも関わらず毎晩のようにどこかで小競り合いが起きるのだが、 そんなトラブルは自然環境においては日常的に起きている些細なものだろう。いちいち気にする必要もないというのが私の飼育ポリシーだ。


もう一つの「待機小屋」の定員は二匹。





こちらは簡単に言ってしまえば「いじめられっ子」用の飼育ケースだ。つまりケンカが弱いか、あるいは気が弱いせいで、いつもエサにありつけずにケースの隅っこでじっとしている姿を見かねて私が用意したシェルターのようなものだ。まったく文部省なんかより私の方がよっぽど「弱者への気配り」に長けている。

もっとも彼らだって「繁殖小屋」に入れてやると途端に凶暴化して、メスを見つける度に飛びかかる。何だか人間の性犯罪者と似てやしないか?


ちなみに寝ぼけたまま私が「小便小僧」を放り込んだのはこの部屋だった。彼はたちまち「いじめっ子」の本性を現してエサ皿のひとつを独占した。


ところで分からないのは、「小便小僧」はいったいどこからやって来たのかってことだ。飼育ケースの蓋なんて簡単に持ち上げてしまうカブトムシのポテンシャルを熟知している私によって管理される四部屋の戸締りは極めて堅牢なので、そこから脱出したというのはちょっと考えられない(かと言って数を数えても脱走犯でないことを証明することはできない。地中から新しく出て来たオスかもしれないからだ)。

ということは、主に「繁殖小屋」から漂うメスの匂いを嗅ぎつけた野生のオスがどこか遠く離れた林か何かから私の自宅までわざわざ夜這いにやって来たということになる。カブトムシの嗅覚はかなり優れているらしいから全くありえない話ではないが、もし本当にそうであるなら大した執念だ。私もぜひ見習わなければ。


何か質問は? OK。諸君の健闘を祈る。

以上だ。
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