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September 14, 2014


やぁ、諸君。私がプッシー大尉だ。

昨日の夜釣りはとんだ茶番だったが、そいつはさっさと忘れて、いよいよ待ちに待った「朝釣り」の時間だ。かなり早起きをしたつもりだったが、結局、港に着いた頃には六時を過ぎていて、頭上にはとっくに太陽が燦々と輝いていた。


昨日の夕方とは打って変わって釣り人が大勢並ぶ那珂湊港。





釣り座をどこにするか散々迷った挙句、私たちが陣取ったのは魚市場の南西角にあたる潮通しのよさげな一角だ。教科書通りに解釈すれば特等席にあたる角の部分は漁師の一家と思しき団体が占領していて、ポツポツと小アジらしき魚を釣り上げている。そのすぐ隣が私たちの釣り座だ。こいつはいい場所が空いていたもんだ。


私は早速、昨日手に入れたばかりのピカピカの磯竿に、これまた入手したばかりのリールをセットしてガイドに糸を通した。もちろん初心者にありがちな、リールのベイルを倒し忘れたばっかりに、全て仕掛けが完成したと思ったのに、また一からやり直しをする羽目になる事も忘れない。


きちんと仕掛けが完成したら、いよいよゲーム開始だ。海面すれすれを何かの魚が泳いでいるのは見えているが、私の俄仕込みの知識によれば、私のターゲットである脂の乗り切ったグラマーなアジは底に近い層を泳いでいるはずだ。私はひたすら網カゴに寄せ餌を詰めては仕掛けを海中に投入し、仕掛けが底に沈み切ってからリールを二、三回巻いて竿をしゃくり上げる作業を繰り返した。


ひゃー、ちっとも釣れない・・・。


周りを見渡しても多くの釣り人は何も釣れてなくて、ただ私たちの右隣の漁師一家の女の子だけがコンスタントに小アジを釣り上げている。彼女の釣り方を観察していると、まず網カゴにどっさり寄せ餌を詰め込んで、それから工作機械に使われるような頑丈な金属製の脚の上に程よい高さに設置された餌入れにてんこ盛りにされた寄せ餌の山に実に器用に仕掛けを二度、三度と通し、サビキ針にも寄せ餌を引っ掛けてから仕掛けを海中に投入している。


ほぅ、そんな釣り方もありなのかい?


私たちがその実に合理的な釣りのスタイルと、それからやろうと思えばそれ用の餌入れなんかなくたって針を手でつまんで寄せ餌に突っ込みさえすれば私たちだって同じ釣り方が出来たという事実と、ついでに潮の流れのせいで私たちが撒いた寄せ餌は全て右隣の漁師一家の足元へと流れて行ってしまっていた事実に気付いたのは、九時を過ぎてもうそろそろ帰らなければならない頃合いになってからだった。


私たちが帰り支度を始めた頃には、漁師一家を束ねる背丈は5フィート足らずのくせにいかにも屈強そうな親父が威風堂々とお出ましになり、四〇センチはあろうかという大アジを次々に釣り上げ始めた。私たちはただ茫然とその様子を眺めているほかなかった。私がその日釣り上げたのは、何やら違和感を感じて買ったばかりなのにもう壊れちまったのかと心配になりながらリールを巻いていたら、背中に針が引っかかって身動きできずにピチャピチャ暴れながら姿を現した気の毒なサッパ一匹だけだった。





何か質問は? OK。諸君の健闘を祈る。

以上だ。



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