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August 6, 2014


やぁ、諸君。私がプッシー大尉だ。

知人と観光で熊本に向かった私は空港近くのペンションへ。何でもそのペンションのオーナーはカブトムシを捕まえる名人で、そんな彼を目当てに夏休みには多くの子供たちがそのペンションに泊まりに来るという。


名人の車で周囲の山を二時間近く探し回るという、かなり気合の入った昆虫採集ツアーは夕食が済んでから催されるらしい。そして車に乗れる人数には上限があるので、基本的にそのツアーに参加できるのは子供たちだけだ。

私はそれに参加するわけでもないので、はしゃぎ回る見知らぬ子供たちを尻目に食堂でゆっくりオーナーのこさえた本格的なヨーロッパ風の料理に舌鼓を打っていたが、なぜかそんな私を食堂で見かけたオーナーが「あなたもどうです?」と言って来た!


私は生まれてこの方、未だに「野生の」カブトムシを見たことがない。子供のころに母方のお婆さんの住んでる田舎に遊びに行くと、近所に住む見知らぬ善意の少年が私のために捕まえておいてくれたカブトムシをくれた事はあったが、そのカブトムシは既に「野生」とは言えない。

オーナーに尋ねてみると「サンダル履きでもかまわない」というので、私は部屋に戻っていつも持ち歩いてる SUREFIRE だけを手にすると指定された集合場所に向かった。全国各地から集まった子供たちはもちろんお互い今日が初対面なので、オーナーの意向によってみんなの前で自己紹介をさせられたが、私だけはそいつを免除されたのは幸いだった。その代償として、子供たちは私が宿泊客ではなくてスタッフの一人か何かと勘違いしたようだったが、どうでもいい事なのでそのままにしておいた。


オーナーの駆る中古のデリカは子供五人と私を乗せてペンションを出発した。たぶん五分も走らないうちにオーナーはあるポイントに到達したが、そこには先客がいたのでオーナーは次のポイントへと向かった。

オーナーは、なぜ今のところで探さないのかと食い下がる子供たちに、ポイントはいくらでもある、と自信たっぷりに答えた。先客はバナナか何かでこさえた仕掛けを木の幹にぶら下げていたようだったが、オーナーは、そんなまねをしなくてもカブトムシは簡単に捕まるのに、と助手席の私に奴らの愚かさを指摘した。だが私はこの期に及んでもまだその言葉に半信半疑だった。


また五分も走らないうちにオーナーは雑木林に隣接する道で車を止めて、ターゲットがいるはずだ、と言って二人の子供だけをデリカから下ろし、そして私にもついて来るように言った。

オーナーがその木を探せ、と私たちに指示した木の幹を見上げた私は、子供たちに見られている(かもしれない)事も忘れて感動のあまりうめき声を上げた。そこには紛れもなく野生のカブトムシが樹液に群がる巨大な蛾や奇妙な形をしたトンボやムカデのような節足動物たちに混じって食事をしている光景があった!!いままでの人生に於いて、その時ほどカメラを持って来なかった事を後悔した事はなかっただろう。


オーナーは何箇所もターゲットが集まりそうなポイントを知っていて、彼が立ち寄った先には基本的に必ず一匹か二匹のカブトムシがいた。オーナーは順番に何人かの子供たちをデリカから下ろしては、彼らに野生のカブトムシを捕まえるという貴重な経験をする機会を与えた。

ある足元がおぼつかないところに立っている木へは私一人で行くように言われ、オーナーに借りた虫とり網片手にその木へと向かった私は一人で五匹のカブトムシを捕まえてオーナーに届けた。

自然界で育ったカブトムシたちはどれもこれも美しい色艶をしていて、屈強な腕力で人間の手から逃がれようとしたが、どうしたわけか網で捕まえ損ねても飛んで逃げようとせず歩いて逃げようとするので、結局すぐに簡単に捕まるか地面に落ちるかした。オーナーは、代わりはいくらでもいる、と言わんばかりに、地面に落ちたやつは放っておくように子供たちに指示した。

最終的に二時間がかりで四〇匹弱のカブトムシやクワガタムシを捕獲してそのツアーは終わった。


捕まえられた数十匹のカブトムシと数匹のクワガタムシは、クジ引きによって子供たちに公平に分配された。そんな予定はさらさらなかった私もついに誘惑に負けて、1ペアのカブトムシを貰って帰る事にした。


何か質問は? OK。諸君の健闘を祈る。

以上だ。



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