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July 20, 2013


やぁ、諸君。私がプッシー大尉だ。

国際通りにある「牧志公設市場」では、一階の鮮魚店で買った魚を二階の食堂で調理させ、その場で賞味する事が出来るらしい。観光客向けの胡散臭い商売の匂いがしないでもないが、東京から合流したうちの一人がどうしても行きたいというので乗り込んだ。

ヤミ市から始まっただけあって、とんでもなく狭いスペースにいくつもの店がひしめくその市場に私たちが足を踏み入れた時、それほど混雑していなかったのは幸いだった。私は勝手に魚市場を想像していたが、そこには精肉から青果まで一通りの店が揃っていた。


早速、連れの一人が鮮魚店の親父に掴まった。キャッチセールスは例外なく法律で取り締まればいい、と思っている私は、はじめは知らんふりをしていたが、親父の熱心な商品説明に「うんうん」と頷きながら、それらの値段を知ることにビビってるようなので、私はついにしゃしゃり出てそこにあるほぼ全ての魚の値段を聞き出した。





「オジサン」は六〇〇円。





「アバサー(ハリセンボン)」は八〇〇円。





伊勢エビは二〇〇〇円だと言うのでそいつも購入。参考までに、と食い下がって聞き出そうとしたら「(高過ぎて)値段を口にするのも気が引ける」と親父が謙遜していた最高級のセミエビ(かなり巨大なやつだ)ですら、わずか八〇〇〇円だった。いったい東京で客に出されるエビ料理の原価率は何パーセントなのか。


総額(たったの)四五〇〇円ほどの支払を済ませた私たちは親父に導かれて二階へ。通されたのは「がんじゅう堂」という食堂だった。

私たちのほかに観光客らしきアベックが後ろに座っていて、ちょうど彼らのもとに、大皿に山のように積まれた唐揚げが運ばれて来たところだった。何の唐揚げかは分からないまでもとても美味そうな唐揚げだったが、私には彼らがそれらを全部平らげる事が出来るとは到底思えなかった。


私たちの席の方にまず供されたのは、たしか七〇〇円の「刺身の盛り合わせ」。

※伊勢エビは別料金





一番手前は「イラブチャー(アオブダイ)」だ。コバルトブルーのその奇妙な魚は、調理すると色が変わってしまうらしい。とても残念なことに他の魚の名前は忘れてしまったが、それらの魚はもちろん例外なく美味かった。


次に「オジサン」のバター焼き。





ご親切に巨大な「イラブチャー」の頭までサービスで付いて来たのでもう全員が腹いっぱいになった。あれ?そう言えば「アバサー」はどうなったんだ?さっきの刺身の中にでも入ってたのか?

中国人と思しきアルバイト店員を掴まえて聞いてみると、アバサーが既に提供されたのかどうかは分からないが(それでも店員か?)アバサーを生で食うことだけはありえない、と言う。嫌な予感がしたところに、例のアベックの席に差し出されたのと同じものが私たちのテーブルにも届けられた。





何ともご丁寧なことに、こちらにも巨大な「イラブチャー」の頭がサービスされている。最後に伊勢エビの味噌汁が出て来る事を知っていた私たちは、それを持って帰る事は出来ないので、潔くたったいま提供されたばかりの大量の唐揚げを全て持ち帰るためのプラスチックパックの提供を店員に依頼した。

「調理代」は本来一人五〇〇円。なぜか私たちは三人で九〇〇円しか請求されなかった。たぶん調子に乗って食いきれないほど買い込んでしまった「上客の」私たちに、あの親父が恩情ある配慮をしてくれたに違いない。


充実した食事を終え、そこで購入した食材の質もさることながら、過剰なまでの「サービス」に十分過ぎるほど満足した私たちは、ひとこと礼を言うために、あの親父のいる鮮魚店を再訪問した。礼のついでに私はその偉大な親父の写真を撮らせてもらう事にした。

私はそのとき親父に、その写真は私のブログに掲載されるだろう、とは一言も言わなかったが、それはつまり私の親父に対する心からの感謝のしるしでもあるし、親父の魅力をぜひ世界中の人々に知ってもらいたいという願いの表れでもある。あの素晴らしい公設市場の永続的な発展のためにも、親父はその事を恥ずかしがったり嫌がったりするべきではない。





※詳細 → プッシー大尉烈伝 [美食編/湧川鮮魚店]


その後、夕方、涼しくなる頃合いを見計らって「新原(みいばる)ビーチ」へ。





まる一日以上経って私は気づいたのだが、シャツを脱いでくんくん嗅いでみると、どうも私の体臭がとんでもない事になっているようだ。例の山羊の刺身の仕業だろう。

私は山羊肉の臭いなんて全く気にもかけずにペロリとそれを平らげたが、もしいま私の肉にどこかの捕食動物がありついたとしても、その臭いを嗅いだだけで顔をしかめて黙って立ち去ってしまうだろう。


何か質問は? OK。諸君の健闘を祈る。

以上だ。
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