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ホルモン在市 芝大門/飛騨牛コース「飛騨牛サーロイン」

【 Data 】

東京都港区芝大門1-2-8 [MAP]

TEL:03-3431-5233

営業時間:11:30〜14:00(L.O) ※平日のみ 17:00〜24:00(L.O)

定休日:無休

最終訪問:2012.12

仕事場の若い連中五人ほどと、忘年会の会場にしてはどうか、と示しあわせて事前に偵察に向かった焼肉屋だ。ホームページでは「厳選された飛騨牛」を提供する、と豪語しているくせに、薄汚い場末の労働者層が集まってそうな大衆店を想起させる店名を掲げる意図はよく分からない。

飛騨牛が自慢のこの店にはそのままずばり「飛騨牛コース」というのが三八〇〇円で供されていて、飛騨牛のサーロインに始まりタン塩、飛騨牛リブロースの醤油焼き、ホルモン、ごちゃ混ぜ焼き、と続くらしい。同じテーブルでも選ぶコースはばらばらでいいという店側の厚意により、他の偵察要員たちがワンランク下のコースを注文する中、私ともう一人の二人だけがこの「飛騨牛コース」を注文した。

一品目の「飛騨牛サーロイン」にはしてやられた。「サーロイン」と言われれば誰だってステーキを想起するだろう?でもたしかに品書きには「サーロイン」とは書かれているが、ステーキとは一言も書いてない。果たして私たちの面前には「これが噂の飛騨牛か!」と唸らせる美しい刺しの入った「サーロイン」のペラペラ肉が一枚ずつ提供された。私の舌がわがままなだけかもしれないが、いかにそいつが上質な刺しの入った飛騨牛サーロインであろうと、サーロインを名乗る以上は、そこに一定の厚みを保証してもらえなければ私が満足感を覚える事はありえない。

タン塩は柔らかな逸品だった。リブロースはすき焼きのように卵にからめて頂くスタイルだ。それはそれで悪くないが、せっかくの飛騨牛でそれをやる必要があるだろうか。ホルモンとごちゃ混ぜはまぁまぁだった。私たちが最も満足したのは三〇〇円で提供されるキャベツだった。新鮮でさくさくしていて妙味なドレッシングがそいつをさらに引き立てる。私たちは、この店ではキャベツとビールを注文してひとしきり腹を満たしてから、余裕があれば二、三品の肉を頼めば最も満足度の高いコストパフォーマンスが得られる、という結論で一致した。

接客面では特に不満は感じなかった。ずいぶんとまめに網を交換してくれるのはよい事だが、その度にコンロにこびりついた真っ黒な汚れの塊が目につくので客によっては顔をしかめるかもしれない。飛騨牛を前面にプッシュしてはいるが、私はこの店を多くの観点から高級店とは定義できない。肉の提供のしかた、トータルでの品質、値段、どれをとっても中途半端な印象を受ける。そもそもこの店で「飛騨牛」と謳われている全ての肉が本当に「飛騨牛」なのかどうかを私は知る由もない。その事を、まぁまぁ質の良い和牛肉を提供する「敷居の低い店」として肯定的に捉える事自体は間違ってないかもしれない。最終的に私たちは協議の結果、この店を忘年会の会場候補から外した。
ホルモン在市 芝大門/飛騨牛コース「上タン塩」 ホルモン在市 芝大門/飛騨牛コース「リブロース醤油焼き」 ホルモン在市 芝大門/飛騨牛コース「塩ホルモンセット」


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