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logo_no_star ざぼんラーメン 与次郎店
ざぼんラーメン 与次郎店/ざぼんラーメン

【 Data 】

鹿児島県鹿児島市与次郎1-6-20 [MAP]

TEL:099-257-0605

営業時間:11:00〜21:00

定休日:無 休

最終訪問:2013.09

開聞岳の山頂で知り合った福岡のハイカーに案内されたラーメン店だ。私は東京からやって来た事こそ彼に話したが、私が鹿児島の素晴らしいラーメン店に何軒か心当たりがある事までは話さなかったので、いかにも観光客が必ず立ち寄りそうな定番スポットとしてここを紹介してくれたんだろう。

レジに並んでまず食券を購入するという変わったスタイルに少々戸惑いながら、私はメニューを見た瞬間に顔色が変わった。スタンダードなラーメンが八〇〇円?おいおい、そいつは全く悪い冗談だぜ。

豚とろ小金太を蔑ろにしているとしか思えないその強気な価格設定に、私のこの店に対する評価のハードルは限りなく上がった。つまり、それらの名店を超える価格設定をする、という事は、それらの名店を超えるラーメンを当店ではお出ししてますよ、とぬけぬけと宣言しているのと同じ事だ。ほう、そうかい。どれだけのものが出せるって言うのか、お手並み拝見と行こうじゃないか。

私がそれを試食してみたところでは、全く口ほどにもないというか、その価格設定はハッタリもいいところだった。ベースはあくまで鹿児島風の豚骨ラーメンだから、美味いか不味いかと言われれば不味くはない。だが近所のスーパーマーケットで五食二〇〇円で売られてるようなインスタント麺だって「不味くはない」。他の名店と比較するとあまり深みを感じないそのラーメンが、せめて他の名店と同じ価格水準で提供されていれば、私は「あぁ、まぁまぁのラーメンだったね」の一言で済ませただろうが、私はそもそもの価格設定が気に食わなかった。

それなりにジューシーながらもどこかの食品工場で大量生産された風のチャーシューも私は不快に感じた。実際のところどうなのか、私は知らない。だが仮にそいつがこの店の誰かが丹精込めて作りあげた手作りのチャーシューだったとしても、他店のチャーシューを堪能済みの私にとってはチープな加工品にしか見えなかった。

もし私が鹿児島にやって来るのが初めてで、そして「鹿児島ラーメン」なるものをこの店で初めて口にしていたならば、この店のラーメンに対する私の評価は全く違ったものになっていただろう。だから一部の観光客と思しき人々がインターネットでこの店のラーメンを褒めちぎっている事実を私は訝しくは思わない。それは結局、持つ者と持たざるものとの「情報格差」の産物としか言いようのないもので、どこかの高級レストランで怪しいブロック肉に高い金を払って美味い美味いと喜んで平らげてるような人々と、そんな人々相手に商売を成立させる連中が共存してしまえるこの社会の縮図でもあるだろう。
ざぼんラーメン 与次郎店/ざぼんラーメン(2)


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