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天ぷら よしおか/天ぷらコース・海老

【 Data 】

京都府京都市下京区高倉通仏光寺上ル西前町377-4 [MAP]

TEL:075-351-8537

営業時間:11:30〜14:00 17:00〜22:00 ※ランチタイム予約不可

定休日:土曜日

最終訪問:2012.05

京都の四条烏丸からほど近い路地裏でひっそりと営業している天ぷら屋だ。「お昼の部」では一八〇〇円で「天ぷらコース」を提供している。久しぶりに京都に立ち寄る機会があったので、少々奮発してグルメな昼食をとるために訪問した。

左手に佛光寺を見ながら「佛光寺通」を歩いて途中で左に折れたすぐそこに店はあった。見た目は長屋のいち民家に過ぎない風情をしていて、私はこの歴史ある京都の街並みの雰囲気に静かに溶け込んでいる天ぷら屋を、軒先の提灯をたよりに探し当てるしかなかった。

店に入ると、三坪ほどの(まぁ実際はどうだか知らないが私にはそう見えた)店内には夫婦と思しき先客が一組だけいた。席は全てカウンター席で、四組も客が入ればもう満席になりそうだったが、先客はL字型のカウンターの奥側のラインに座っていたので、私は店に入ってすぐの席に腰かけた。婆さんがお茶を持って来てくれたついでに、傘は傘立てにおけ、と私に言葉柔らかに指示した。

「天ぷらコース」を注文すると、いかにも寡黙な職人といった風なオーラを漂わせながら、どこかお公家さんのような柔和な面影を残すご主人が、静かに仕込み済みの海老に衣をつけ、静かにそれを油の中に投入した。私が老職人の一挙手一投足を観察したり、店内をきょろきょろ見回したりしているうちに「海老です」という静かな老職人の語りかけと共に、それは私の目の前に置かれた。一八〇〇円するコースの海老天だから塩で頂いても十分賞味に耐えるだろう。私の考えは正しかった。

その後、キスやらイモやらイカやら穴子やらを賞味し、かき揚げの後にもう一度海老が提供されてコースは終了した。どの天ぷらも美味であったし、添えて出されたライス、赤だし、サラダ、お茶にいたるまで、どれも満足のいく品々だったが、一八〇〇円という値段を考えると、当然これぐらいはやってもらわねば、という思いがあったのも事実だ。

「最高級」とまでは言えないまでも、素材は決して粗末なものではなかったし、客の食事の進行に合わせて次の天ぷらをひとつひとつ揚げていく営業スタイルを考えれば、単価が多少張ってしまうのは必然なのかもしれない。効率主義が幅を利かせる時代にあって、拘りのスタイルを貫き続ける老職人に、私は心の中で密かに敬意を覚えずにはいられなかった。
天ぷら よしおか/天ぷらコース・穴子 天ぷら よしおか/天ぷらコース・かき揚げ 天ぷら よしおか/店舗外観


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