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わっぱら家/「月見そば」と「山菜」

【 Data 】

長野県大町市平1955-430 [MAP]

TEL:0261-22-8432

営業時間:11:00〜16:00頃

定休日:火曜・第4水曜

最終訪問:2012.09

私と友人が立山のハイキングに出かけるときに立ち寄った店だ。早めの昼食をとってから扇沢に向かい、バスやロープウェーを乗り継いで室堂まで向かわなければならない私たちにとって、この店の立地で一一時に開店というのは悪い条件ではなかった。一〇分前には着いてしまった私たちだったが、店主と思しき老人が私たちに気づいて早めに店を開けてくれた。

日曜日の訪問だったが私たちが食事を終えて退店するまで訪問客はゼロだった。感じのいいご婦人にだだっ広い座敷に通された私たちは六人か八人掛けのテーブルを占領してメニューを手に取りじろりと見据えた。友人はあれこれ注文していたようだったが、私は七五〇円の「月見そば」と三〇〇円の「山菜」だけを注文した。それとは別に「山菜そば」というのが九〇〇円で提供されるようだったが、豪勢な海老の天ぷら付でもないそば一杯に九〇〇円というのは店の立地や私の基準に照らし合わせて少し法外であるように思われた。

それらの料理が私たちのテーブルに供されるまで、私は店内をしげしげと見回した。古民家に少しだけ手を入れただけに見える店内は、さながら田舎のおじいさんの家という感じで、床の間には将棋盤が、本棚には美術全集の類から漫画、歴史小説に至るまで所狭しと並べられていた。友人が裏の窓から外を見て、そこに窯があるからここの主は焼き物をするのかもしれない、と指摘したが、私は聞き流した。どんなに立派な「入れ物」にお目にかかるよりも、私は美味い中味が食いたい。

一〇分か一五分ほど待たされてから私たちの元にいよいよ料理が運ばれて来た。私のそばは細切りでまずまずの喉越しだったが、秀逸だったのは「山菜」の方だった。これだけ質の高い「山菜」を口にしたのはいつ以来だったか、私は全く思い出せなかった。一見セロリのようなキワモノも混入されていたがちっとも気にならない。ボリューム、歯ごたえ、味覚、どれをとっても素晴らしかった。ただ「月見そば」にも山菜はたっぷり添えられていたので、わざわざそれとは別に「山菜」を注文する必要があったのかについて、私はしばらく頭を悩ませた。
わっぱら家/「月見そば」 わっぱら家/「お品書」 わっぱら家/入口


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