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梅むら | ||||
【 Data 】 東京都台東区浅草3-22-12 [MAP] TEL:03-3873-6992 営業時間:12:30〜18:00 ※ 土・祝 〜16:00 定休日:日曜日 最終訪問:2013.11 |
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浅草寺の裏手にある甘味処だ。花やしきのお化け屋敷を偵察するというミッションに向かう私を含めた三人グル―プは、まず腹ごしらえに浅草寺の喧騒に舌打ちしながらこの店に向かった。結果的にそのお化け屋敷はまるで子供騙しだった。
この店は「あんみつ」が有名である事を私は事前に知っていたが、肌寒い晩秋の昼下がりに甘味処に入店したら「おしるこ」と相場は決まっている。私は品書きに書かれた「こしあん」入りの「御膳志るこ」ではなくて「つぶあん」入りの「田舎志るこ」をオーダーした。ついでにそういう分類の仕方がある事を学習した。 そのしるこは私が期待していたのよりはるかに小さな器に入れられ私の前に運ばれて来た。うーん、五五〇円という値段を考えると可もなく不可もなくってところだな、と少しだけ失望しながら私はその「つぶあん」入りの「田舎志るこ」に箸をつけた。ふむふむ、熱々なうえに「つぶあん」の何とも言えない甘みが口の中に広がって、こいつはなかなか粋だぜ。 それを食ってるうちに、私はそのしるこの器が小さい理由を理解した。それはとても私好みなレベルで濃厚な甘みが舌を楽しませる秀逸なしるこだったが、濃厚過ぎるゆえにその器よりも大きな器で提供されたら、私はともかく一般的な味覚を持つ人々は耐えられないだろう。 そのしるこを完食してもまだ腹にゆとりのある私は、当初は予定していなかった「あんみつ」を追加でオーダーした。注文取りの女の子は持ち帰りではなくてその場で食うのか聞いてきた。普通はしるこを食った上にあんみつまで平らげようとする客なんていないって事か?あいにく私はまだまだ全くもって腹ペコだった。 そのあんみつは実に美味だった!いや、もうとにかく美味だった。始めにしるこを食ってそれからあんみつまで注文した私の消費行動は全く以って正解というか、一,〇〇〇円あまりの支払額まで含めて私を十分に満足させるものだったが、店に入るなりあんみつを「二人前」注文し、それらを一人で平らげていればさらに大正解だったかもしれない、と私をして思わしめるほど美味だった。 その寒天のてっぺんに乗せられている「こしあん」の甘みが全てのキーポイントだったろう。それは「田舎志るこ」に入れられていた「つぶあん」と同等かそれに優るまでに濃厚な甘みを湛えていて、味覚をもってしても食感をもってしてもコントラストを為す寒天との絶妙なハーモニーを口の中で奏でた。そのウサギのクソのような黒豆と寒天のみで構成される「豆カン」というのもこの店の看板料理であるらしい。そいつはそいつで美味いんだろう。だが私はこの店の魅力を語るのに、絶対にその「こしあん」だけは外せないと思った。 |
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