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馬勝蔵/上馬刺し

【 Data 】

熊本県菊池郡大津町室83 [MAP]

TEL:0969-23-2103

営業時間:11:30〜14:30(L.O 14:00) 17:30〜24:00(L.O 23:00)[月〜土] 17:30〜23:00(L.O 22:00)[日・祝]

定休日:不 定

最終訪問:2014.08

熊本空港にほど近いホテルに投宿した際に訪問した「馬肉料理」の店を名乗る呑み屋だ。かつては街道筋であったことを思わせる街並みにあって何かの蔵を改装したような店構えは流行りの隠れ家風な雰囲気を醸し出している。

店内は建物の造りを活かしたノスタルジックな要素を基調としつつ、調度品の類は割と新しいものを使っているので洗練された雰囲気も漂う。これを好感するか、わざとらしい演出を嗅ぎ取って失望するかは人それぞれだろう。

私と同行者二名は、戸で仕切られて個室状になった板の間造りの座敷席に通された。そこに通されて私がまず苛ついたのは冷房が効きすぎていることだった。私は、私たちをそこに案内した店員が退室するや否やエアコンのリモコンを目ざとく発見し、私と、それから少しばかり来月支払う光熱費を浮かしたいであろうこの店のオーナーのために、設定温度を手早く摂氏二八度に修正した。

私たちはやがて注文とりにやって来た訛りのきついアルバイト青年にありとあらゆる「馬料理」を注文した。馬刺し、レバ刺し、ステーキ、ヒレカツ、塩焼き、串焼き、ほかにもいくつか頼んだ気がする。地元の人々がどうであるかはともかく、私たちにとっては、馬刺し以外はどれもこれも今まで食したことのない田舎町ならではの未知の珍味にほかならない。つべこべ言わずにまずは食ってみなければ。

結論から言えば、それらの馬料理は私たちを概ね満足させたが、感動させるほどのものではなかった。つまり、私たちが口にした数々の馬料理の素材となった馬たちは、食通をうならせる例えば黒毛和牛や三元豚のようなブランドバリューを持つ馬たちではなくて、そのへんの馬だったろう。つまりそれは、もしこの店の隣に黒毛和牛の一頭買いを売りにする価格帯も重複するような焼肉屋があったなら、私は次から迷わずそっちを訪問するだろう、ということだ。

誤解しないでほしいのは、決してこの店で私たちに提供された数々の馬料理が不味かったわけではない。接客にもまったく不愉快なところはなかった。ただ私の心に残ったのは、「馬料理」の持つ「もの珍しさ」という要素以外の何かを求めてこの店を訪問するとしたら、そいつはいったい何なのか、という素朴な疑問だった。
馬勝蔵/馬ヒレステーキ 馬勝蔵/馬バラ塩焼き 馬勝蔵/レバ刺


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