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logo_1star うどん棒 本店
うどん棒 本店/月見うどん(1)

【 Data 】

香川県高松市亀井町8-19 [MAP]

TEL:087-831-3204

営業時間:11:00〜21:00

定休日:無 休

最終訪問:2009.12

高松の地に降り立って「讃岐うどん」の店に立ち寄らないという事は、全くあってはならない事だ。いつだったか私の友人は高松駅で自転車をレンタルして、朝食と夕食とは別に、その日だけで四件のうどん屋を回った。そこまでやるのはちょっと頭がイカれてるとしか思えないが、彼がその人生で何を追い求めていたのかは私にも分かるような気がする。

私が一二月のある日曜日にビジネスのために高松の地に降り立ってから初めて食事の時間を取れたのは、午後の八時を過ぎてからだった。早速、高松駅近辺でその時間にでも開いていて、そこそこ評判の良いうどん屋がないかをインターネットでリサーチしたが、条件に該当するのは、高松駅からはかなり離れた所にあるこの店だけだった。私は地図を片手にホテルを飛び出した。

路地を曲がってすぐのところにあったこの店は、その外観から多少の歴史を感じさせた。戸を開けて中に入ると、客は一人もいなくて店の親父が二人ばかり手持ち無沙汰にしていた。私が適当な席に腰掛けると親父の一人がお茶を持って来てくれたが、そのお茶はぬるかった。一二月の夜の高松の街を延々と歩かされて身体の冷え切っていた私は心底むかついたが、そんな事は表情にも出さずに「月見うどん」を注文した。手打ちのうどん屋で月見うどんの値段が四一〇円だなんて、私にとっては敬意に値する価格設定だったので、お茶がぬるいという神をも恐れぬ失態への私の怒りもすぐに鎮まった。

出て来たうどんは普通だった。いかにも本場讃岐の上質なうどん、といった風では全くなくて、マイルドで家庭的な作風だった。海苔の上におろし生姜が乗せられていて、変わった事をするうどん屋だと思ったが、この生姜がなかなかだし汁と相性がよく、私の舌を楽しませた。そこには、コストを抑えながらもちょっとした工夫で美味な料理を客に提供したいという姿勢が感じられ、私は好感を抱いた。
うどん棒 本店/月見うどん(2)


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