| Home | Military | Trekking | Gourmet | Life | Contact |
ラーメン天風 西条店
	【 Data 】 愛媛県西条市喜多川608-5 ジョイパラッツォ喜多川1F [MAP] TEL：089-933-3838 営業時間：平日 11:00〜15:00 17:00〜23:00　土日祝 11:00〜23:00 定休日：無 休 最終訪問：2013.08
石鎚山への登山ベースに西条駅前のホテルを選んだのはよかったが、インターネットで事前に情報を収集する限り、率直に言ってその界隈には私が訪問するのにふさわしいだけの魅力を感じさせる飲食店の類がただの一件すらなかった。ところでこのラーメン屋は自家製の麺とスープからなるラーメンを僅か二九〇円で提供していると言う。私はそんな企業努力を意気に感じてこの店を訪問してみる事にした。 いかにも安っぽいチェーン店を思わせる店内には、夜遅かった事もあって客は二、三組しかいなかった。私はたぶんこの店が一番プッシュしていると思われる「とんこつしょうゆラーメン」と、それだけでは寂しかろうとトッピングに百円の「味玉」を注文した。しめて三九〇円だ。ヘタな呑み屋に入って首をかしげながら飲み食いして一〇倍の金をとられるよりよっぽど合理的な夕食じゃないか。 ラーメン屋ではよく見かける、よく言えば男気溢れる、他の言葉に言い換えるとあまり清潔感のない男が、そのトッピングの味玉を入れてもわずか三九〇円で供される「とんこつしょうゆラーメン」の丼を私の目の前に差し出したとき、私は驚愕した。あれ！？トッピングでわざわざ頼まなくても味玉は元から入ってるじゃないか！ たった二九〇円なのに味玉が始めから半玉入っているうえに自家製の麺とスープから作られるその「とんこつしょうゆラーメン」には、私が最も優れたラーメンのひとつとして評価する熊本地方のラーメンに欠かせない木耳もちゃんと入っている。おまけに私がそのラーメンどころか、そいつを作った店主の人格をすら評価するのに絶対的な基準としているチャーシューでさえも、都心で一杯千円近い金を取って卑しい商売にいそしんでいる忌々しいラーメン屋が客に振舞うラーメンに乗っけてよこすそれなんかよりもよっぽど丹精込めて作りあげられていて、まるで非のうちどころがない！この店がこの品質と値段で首都圏に進出する事が出来たなら、偽りのカリスマ性の元に客を舐めきって金儲けに精を出している既存のラーメン屋どもは瞬時にその正体を見破られ、バタバタと潰れていく事だろう。 私は次の日の夕食にも何の迷いもなくこの店を訪問し、今度は鶏ガラベースの「中華そば」を注文した。その日は前日と打って変わって可愛らしいギャルの店員が、美しいスープをなみなみと湛えた丼を私の元へと運んで来た。こいつも値段を考慮すると「とんこつしょうゆ」に負けず劣らず素晴らしい逸品だった。そして私の訪問したラーメン屋を評価する私の目は、それ以来また一段と厳しくなった。
−プッシー大尉烈伝−［美食編］に戻る >>>
Copyright (C)2011 Lt.Pussy All Rights Reserved.