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高 砂/天ざる(1)

【 Data 】

青森県弘前市大字親方町1-2 [MAP]

TEL:0172-32-8025

営業時間:11:00〜18:00

定休日:月曜日

最終訪問:2010.11

弘前を観光で訪れた私が、初日の「會」に続けて二日目の昼食に、と訪問した弘前で二件目の蕎麦屋だ。白神の奥地にある滝を見てから車を飛ばしてこの店に着いたときには既に五時近くになっていた。

弘前城にほどよく近い場所にあるこの店の造りは、立派な白塀に囲まれた、さながらかつて侍が住んでいた「お武家屋敷」のような趣で、ふらりと通りがかっただけの観光客が足を踏み入れるには少しばかり勇気がいるように思われたが、後から調べた限りでは、蕎麦屋としては青森県内においても筆頭格にあるとされる有名店であるらしかった。昼時には行列が出来ると言われている人気店だが、私があまりにも中途半端な時間に訪れた事もあって、私が入店したとき、私のほかに客は一組しかいなかった。

その蕎麦屋は大正二年(※一九一三年)創業とされている老舗でもあったが、私にとってそのような冠は無意味だ。今この時に私に提供される品がどれほどのものなのか、私の下す評価の基準はそれ以外に考えられない。私は一四五〇円の「天ざる」を注文した。

少々待たされてからいよいよ私の前に差し出された海老の天ぷらは二尾、頬張ってみると大そうボリューミーで、一口噛むごとに一部の高級な海老だけが持っている例のエキスが私の口の中に充満した。気品の漂う衣のフォルムにはちょっとした職人技を感じずにはいられなかった。蕎麦にもほどよくこしがあり、つるつると美味しく頂いた。

私がかなり遅めの昼食に概ね満足して店を出る時に見送りをしてくれた仲居さんは、気持ちのいい笑顔で私を送り出してくれた。外は既に日が暮れていて暗かった。

最終的に、私はこの老舗の名店に対して適切な評価を下しあぐねている。私に提供された「天ざる」に私は大いに満足したが、一四五〇円という値段の設定を思えば、求められるレベルは必然的に厳しくなる。一二〇〇円でこの老舗に勝るとも劣らない「天ざる」を提供できる蕎麦屋はどこにもないのか、と問われれば、私はそれに対する明快な答えを持ち合わせていない。
高 砂/天ざる(2) 高 砂/天ざる(3) 高 砂/志奈書(品書)


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