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しながわ翁/もりそば・ざる(1)

【 Data 】

東京都品川区北品川1-8-14 [MAP]

TEL:03-3471-0967

営業時間:平日 11:00〜15:00 17:30〜21:00 土曜・祝日 09:00〜15:00 ※ 月・火は昼のみ

定休日:日曜日・第二月曜日

最終訪問:2013.04

品川のオフィス街に所用のあった私がインターネットで事前にリサーチして向かった蕎麦屋だ。とは言っても、今やその世界では第一人者とすら言われるどこかの蕎麦打ち師の直弟子にあたる人物が開いている店だとかいう、権威主義的な人々が泣いて喜びそうなエピソードなど露知らず、ただ単に美味い蕎麦が出て来る店らしい、という程度の知識しか持ち合わせないまま、私は決して近くはない距離を地図を片手にてくてく歩き、ようやく店の前に着くとおもむろに暖簾をくぐった。

人のごみごみした喧騒なオフィス街からは十分に離れた住宅街にぽつんと店を構えるその蕎麦屋の店内は、地味な外見とは裏腹に高級感すら漂わせるセンスのよい内装をしていた。接客担当のご婦人の仕事も悪くない。ほぅ、なかなか期待を抱かせてくれるじゃないか。だがメニューを見るともりそば七八〇円はまだいいとして大盛にするとさらに二七〇円だという。

私は大盛にはしないでもりそばを一枚注文した。出て来た蕎麦は見た目は美しいが、いかにも私ならあっという間に平らげてしまいそうな分量で、私は率直に言って割高感を感じた。私は店主の華々しい経歴も知らずに先入観なくその場に臨んでいたのだから尚更の事だったろう。つゆをつけて啜ってみると、たしかにコシのある上質感に満ちた蕎麦ではあったが私好みのそれとは少し違うような気がした。何と言うかストンと腹の中に落ちて行くような喉越しの良さをあまり感じない。

うがった見方をすれば、一枚の値段は常識的なラインに据え置いたうえで量を減らしておいて、大盛の追加分で利益をかすめ取ることを狙った価格設定に見えなくもない。店主にそんな意図があるのかどうかなんて私が知る由もないが、料理の質に加えてボリュームと値段も含めたトータルバランスを重視する私のような小うるさい客には少々不満の残るスタイルだ。だが雰囲気も接客も心地良いのは間違いない。少食で精鋭主義の蕎麦マニアなら、この店の蕎麦を口に出来ることに無上の喜びを感じても全く不思議ではない。
しながわ翁/もりそば・ざる(2) しながわ翁/もりそば・ざる(3) しながわ翁/店舗外観


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