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明神丸 ひろめ市場店/塩たたき&タレたたき

【 Data 】

高知県高知市帯屋町2-3-1 ひろめ市場内 [MAP]

TEL:088-820-5101

営業時間:11:00〜21:00

定休日:無 休

最終訪問:2013.08

高松でのビジネスで知り合った高松在住の人物に、これが終わったら高知に行くんだ、という話をしたら、是非「ひろめ市場」で「鰹の塩たたき」を食ってくれ、と言われた。私は彼の言いつけを守り、高知駅前のホテルにチェックインするや否やパソコンを開いて「ひろめ市場」の情報を収集した。「塩たたき」とやらを提供しているのが「明神丸」という店だという事はすぐに分かったが、既に閉店時間まで二時間を切っていた。私は大急ぎで表に出てタクシーを捕まえ飛び乗った。

フレンドリーなドライバーと市場とは全く関係ない野球の話で盛りあがっているうちにタクシーは市場の裏手に着いた。私はドライバーに、いつもより少しだけスピードを出してくれた事に対する礼を言ってから市場に駆け込んだ。

「ひろめ市場」は、私が想像していたような生鮮市場とは違っていて、実に雑多な店が軒を連ねていたので私は一瞬混乱した。ガイドマップのような気の効いたものも見つからなかったので、私は勘を頼りにフロア内を練り歩いた。既に多くの酔客に占領されたテーブルがいくつも置かれた広場に出て見渡すと、果たして「塩たたき」を前面に押し出した外装をした店が一件、すぐに見つかった。周囲を見てみると、それぞれの店には席がなく対面販売方式を採っていて、料理を手にした客が思い思いにテーブルへと料理を運んで行く様子を見ていて、私はようやくこの「市場」のシステムを理解した。

私はビールと、それから「塩たたき」「タレたたき」の両方を注文した。席で座って待ってろ、と言うのでそうしていると、女の子が料理を運んで来てくれた。一切れ一切れが実にぶ厚い鰹のタタキが皿に整然と盛られているのを見て、私は思わず興奮した。

私はそれまでの人生においても何度も「鰹のたたき」は口にした事があったし、そのうちの一部は、私の中でも鮮度の良い上質な魚料理を提供する優良店として認識されていた店で口にしたものだったが、いま目の前に置かれた皿の上に並ぶたたきの一切れ一切れは、それらの全ての「鰹のたたき」と完全に一線を画していた。単純に、一切れのボリュームと、それを噛んだ時に口の中に広がる「旨みのエキス」の量は比例する、というだけの事なのかもしれなかったが、とにかくこのとき口にした「鰹たたき」は、私のそれまでの「鰹たたき」に対する認識を根底から覆すまでに絶品だった。

私の場合、もちろん「塩たたき」も悪くなかったが、素直に「タレたたき」の方により高い満足感を覚えた。たたき一皿あたり一〇〇〇円とビール一杯で二五〇〇円足らずの支払いを済ませ、全く私が次に高知の土を踏む事が出来るのは一体いつの事なのか、なんて事を考えながら、私は翌日には東京に戻らなければならない自分を呪った。
明神丸 ひろめ市場店/塩・タレ盛り合せ定食(1) 明神丸 ひろめ市場店/塩・タレ盛り合せ定食(2) 明神丸 ひろめ市場店/塩・タレ盛り合せ定食(3)


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