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logo_no_star 麺処 くるり
麺処 くるり/みそらぁめん

【 Data 】

東京都新宿区市谷田町3-2 TOUビル1F [MAP]

TEL:03-3269-0801

営業時間:11:00〜21:00

定休日:無 休

最終訪問:2009.06

市ヶ谷の外堀通り沿いにあるラーメン屋だ。看板が出てないうえにラーメン屋らしからぬ地味な造りの外観なので気づかずにうっかり通り過ぎてしまいそうだが、私が訪問したときは長蛇の列が出来ていて、遠くからでもひと目で分かった。

この店はあるテレビ局の番組でランキング一位を獲得したとやらで有名になったようだった。私は平日にランチタイムを少しばかり外してこの店を訪問したが、店の外で一時間と五分、店内に入ってからも一〇分ほど待たされた。これは未だに私がたかが一食の食事をするのに待たされた時間の最長記録だ。

店の入口にある券売機で、私は「みそらぁめん」の大盛の券を購入した。大盛にしても値段は変わらないと貼り紙がしてあった。店はとにかく狭くて、客にあてがわれているのはカウンターの八席だけだった。前の客が店を出て空いた席に着いてから少しばかり待つと、分厚いごてごてした丼が私の目の前に差し出された。もやしのどっさり乗せられた私の大盛「みそらぁめん」は、少しばかり量が多いように思われたが、私はそんな事は意に介さずに、待ちに待たされた「みそらぁめん」に箸を突っこんだ。

とにかくスープが印象的なラーメンだった。味噌ラーメンには違いないが、何というか、どろどろした食感のスープだった。あまりにもどろどろしているので、私はそれを口にする度に、酔っ払いが道端に置いていくあれを想起せずにはいられなかった。私はその「みそらぁめん」が美味なのかそうでないのかについては判断ができなかった。一般的に、私がその真価を認めるラーメンはシンプルに作られている傾向があるが、そのような特徴とは全く相容れないラーメンだった。なぜあれほどまでに行列が出来るのかは私には理解できなかたが、ただとにかくパンチの効いた個性豊かなラーメンである事は理解した。

それにしても値段が変わらない事に釣られて大盛を選択した事は、たぶんその一年の間に私が犯した数々の失敗の中でも最悪の失敗だった。私に出されたラーメンはつゆ一滴たりとて残さないという信念の私は、その信念に沿うためにとにかく懸命に努力をした。酔っ払いが道端に置いていくあれを想起させるスープをそれでも全て胃に流し込んだ私は、自分こそが酔っ払いが道端に置いていくあれを道端に置いて行きそうにすらなりながら、苦悶の表情で店を出た。


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