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古亭ラーメン/焼豚ラーメン

【 Data 】

熊本県宇城市三角町三角浦1160-100 [MAP]

TEL:0964-53-0366

営業時間:11:00〜14:00

定休日:月曜(祝日の場合は火曜)

最終訪問:2014.08

熊本市街から天草観光へと向かう途中に立ち寄ったラーメン屋だ。田舎の港町の国道沿いで昼間だけひっそり営業してるような古びたラーメン屋だが、妙にインターネット上での評判がいい。この手の店は何かあると考えなくてはならない。私は熊本観光プランを練り上げる初期の段階で、このラーメン屋を重要立ち寄り先リストにいち早く追加した。

カーナビに案内されるままレンタカーで近くまで辿り着いた私は、カーナビでそこを目的地に設定してなければ見落としてしまいそうなちっぽけなラーメン屋を目ざとく発見したが、付近で車を止めても誰も怒らなそうなポイントを探すのに少々時間を要した。炎天下を店まで少し歩いていくと、店先にはさっき車で通り過ぎたときには見かけなかった二組の二人連れが行列を作っていた。彼らは見るからにインターネットか何かで情報を仕入れて駆け付けた観光客に見えた。何だよ、考えることはみな同じってわけかい?

一五分ほど待ってようやく入店の叶った私と仲間二人は早速、思い思いの品々を注文した。狭苦しい店内には観光客っぽいのとは別に地元の港湾労働者らしき男たちも美味そうにラーメンをすすっていた。そして事前に仕入れた情報通り、店はいかにも職人風のオーラの漂う威厳に満ち溢れたお婆さんが一人で切り盛りしていた。私が注文したのは六〇〇円の「焼豚ラーメン」だ。

五分と待たずに私の面前に差し出された「焼豚ラーメン」はニンニク混じりのいかにも私好みの豚骨ラーメンで、木耳、海苔、黄身が固まるまで茹でられた玉子と、何ひとつ欠けることなく仕上げられた模範的な熊本ラーメンだった。もちろん丼狭しと並べられた「焼豚」のほろほろ加減もまた芸術的で、全くもって非の打ちどころがない!!

そして「チャーシュー麺」ではなく、あくまで「焼豚ラーメン」だと主張する拘りもプロ意識を感じさせるが、何より素晴らしいのは六〇〇円ぽっきりという価格設定だ。私の設けた厳格なる基準を以って評価すれば、あらゆる意味で、前日訪問した有名店よりもこちらの方が格上だ。ところで私が前日訪問した有名店に対する悪口を言っていると考えるのは早計だ。それはつまり、まるでマリア様のような慈悲深いお婆さんが丹精込めて作り上げたラーメンが、あまりにも私にとって魅力的だったことを表しているに過ぎない。

私の隣に座った体格のいい日焼けした四〇がらみのビジネスマンが、いかにもよそ者といった雰囲気を醸し出している私に目をつけて、どこから来たのか?と話しかけてきた。私はそれに対する回答もそこそこに、私が自分の注文した「焼豚ラーメン」にどれだけ満足感を覚えているかをそのビジネスマンにまくし立てた。ビジネスマンは私の意見に注意深く耳を傾けながら、自分も福岡からビジネスでこの界隈にやって来る度に、昼間しか営業してないこの店に立ち寄るためにスケジュールをやり繰りしなければならないのだ、と、その苦労を訴えた。分かるぜ、兄弟!私があんたと同じ立場でも、もちろんそうするに違いない。

有明海に面したこの地域に来訪してまず口にするべき名物料理と言えば誰しも海鮮料理を想起するかもしれないし、それはあながち間違ってはいない。しかしながら、ほぼ全国津々浦々のご当地料理を体験して来た私にとって、必ずしもこのエリアで客に提供される海鮮料理は、他の地域と比較して群を抜いて秀でているとまでは言えない。だがこの店のラーメンは間違いなく「別格」だ。私は観光プランの立案段階で、この店の訪問回数をたった一回に設定してしまった事に心から後悔を覚えながら店を後にした。
古亭ラーメン/店舗外観


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