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辛麺屋 喜多楼/あんかけ焼きそば

【 Data 】

宮崎県延岡市船倉2-5-7 [MAP]

TEL:0982-32-3923

営業時間:18:30〜02:00

定休日:日曜日

最終訪問:2013.09

私がビジネスで宮崎を訪問した際に連休をからめて延岡に五泊したときに一度だけディナーに訪問した店だ。辛麺というのは宮崎地方で幅を利かせるご当地グルメのようだが、辛い料理が苦手な私は別にそれには興味がなかった。ただこの店の「あんかけ焼きそば」がまぁまぁだという情報を嗅ぎつけて、私は駅前のホテルからかなり離れたこの店まで歩いて出かけた。ビールを飲むつもりなので車が使えないからだ。

店に入るといくつかの小グループが宴会をやってる真っ最中で店は賑わっていた。私はカウンター席に案内され、やたら腰の低いアルバイトらしき青年に「あんかけ焼きそば」を注文した。ビールはそいつが出て来てから注文する事にしよう。ほどなくして二人組の若い男が私の隣の席に座って「辛麺」を注文したら、そっちの方が先に出て来た。そして例の青年は私の前には水しか出されてない事に気づくと「しまった」と言わんばかりにそそくさとカウンター内の店主と思しき男の元へ行き、男に何事かを囁いた。

持参したタブレット端末で観光情報を収集するのに忙しい私はその待ち時間自体は気にしてなかったが、アルバイト青年はさも申し訳なさそうにそいつを持って来るのが遅くなった事を詫びながら、私の前にうやうやしく「あんかけ焼きそば」を差し出した。やはりビールは一番始めに注文してはダメだ。私はアルバイト青年に落ち着いた口調で「生ビールを」と告げた。

その「あんかけ焼きそば」は全く悪くなかった。エビだのイカだの豚肉だのが入った熱々のあんにふやかされた麺はビールによく合った。そいつを完食してもまだビールは残っていたので、私はアルバイト青年を呼んで、ボードに書かれた「豚バラ塩焼き」というのを注文した。今度は出て来るまでそう時間はかからず、店主と思しき男がカウンター越しに直接そいつを私の前に差し出した。塩焼きにされたバラ肉にネギと削り節が振りかけられただけの小品だったが、四五〇円という値段を考えたらそれで十分だ。

私がまだ焼きそばを食ってるときに、隣の二人組のうち兄貴分の方が突然もう一人の髪の毛をつかんでドスを利かせ始めたので私は思わずそっちを見た。二人の間に何があったのか知らないが、そんな出来事があったら誰だってその先の二人の動静が気になっちまうだろう。すぐに落ち着きを取り戻した兄貴は何事もなかったかのようにあっと言う間に辛麺を平らげてしまったが、子分の方は私と同じように辛い料理が苦手のようで、かと言ってそれ以上兄貴を待たせるわけにも行かず、汗をかきかき必死になって辛麺と格闘していた。やっとの思いで食い終わった子分の丼にはスープがたっぷり残っていた。兄貴はそれが気に入らなかったのだろう。真っ赤な色をしたスープがたっぷり残った丼を指さしながら、可哀そうな子分に静かに意見を言った。私は笑いをこらえるのに必死だった。
辛麺屋 喜多楼/豚バラ塩焼き


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