banner_top | Home | Military | Trekking | Gourmet | Life | Contact |
logo_2star キングタコス 金武本店
キングタコス 金武本店/タコライスチーズヤサイ

【 Data 】

沖縄県国頭郡金武町金武4323-1 [MAP]

TEL:090-1947-1684

営業時間:[平日]11:30〜翌5:00 [土日祝]10:30〜翌5:00

定休日:無 休

最終訪問:2010.03

那覇でのビジネスを終えた私はその足でレンタカー屋へと行き、アテンザを借りて北へと向かった。あの有名な水族館を楽しんでから夕食にアグー豚を堪能してホテルで寝た。翌朝、私は東の海岸沿いに車を走らせ那覇に戻る事にしていたが、その帰路に、たとえどのような困難がこの身に降りかかろうとも必ず達成しなければならないミッションがあった。つまり私は「タコライス発祥の店」でタコライスを賞味しないうちは絶対に沖縄の地から撤収しないという不動の覚悟を以ってこのプランに臨んでいた。

キャンプ・ハンセン沿いに国道を走っていると、おあつらえ向きな駐車場があったので、私はそこに車を停めた。ゲート正面のストリートを少し歩くとお目当ての店はすぐに見つかった。陽の光があまり射し込まない薄暗い店内は場末の喫茶店か何かのような雰囲気で、よく言えばノスタルジックな魅力に溢れていたし、悪く言えば小汚かった。私は円とドルの両方の値段が記載されたメニューを確認し、年配の女性の従業員にチーズも野菜も乗せられたタコライス「タコライスチーズヤサイ」を注文した。この店のメニューの名前は分かりやすくてマジでクールだ!

もともと米軍の兵士向けに考案されたとすら言われるそのタコライスのボリュームに関する様々な情報は既に私の耳にも入っていたので、私はその日の朝食をかなり控えめにし、最高のコンディションでこの店に臨んでいた。いよいよ運ばれて来たタコライスは、レタスで随分底上げされてはいるが、私には大した量ではないように思われた。

まったく甘い考えだった。半分も平らげたところで私の顔から余裕の笑みが消えた。周りを見てみると若い男の客がひとり、またひとりと出されたタコライスを半分近く残して店を後にしていた(そもそもその日、女の客はただの一人もいなかった)。一般的にこの店のタコライスのボリュームは、平均的な日本人男性の胃袋のキャパシティを超えているのであろう事は私もその場で理解した。もちろん私は自分に提供された料理はどんな事があってもそれを最後まで平らげるという固い信念を持っている。私はもう一度気を取り直して仕事にかかり、それを全部平らげてから何事もなかったかのような顔で店を出た。

まずはボリュームの事ばかりが頭に残っていて、そのタコライスは美味かったのか?と聞かれたときに私は一瞬困惑するかもしれない。だがすぐに私はこう答えるだろう。そのタコライスは美味かった。それはただ単に、ライス、ひき肉、レタスといった食材にケチャップという名前の調味料が実によく合う事から来る当然の帰結だったかもしれない。つまりわざわざこの店まで出かけなくても、タコライスというスタイルの料理そのものが私好みである事の裏返しでもある。そしてその事はもちろん「タコライス」という料理を創作して世に広めたこの店に対するリスペクトを私が片時も忘れてはならない事の理由でもある。


−プッシー大尉烈伝−[美食編]に戻る >>> 
Copyright (C)2011 Lt.Pussy All Rights Reserved.