banner_top | Home | Military | Trekking | Gourmet | Life | Contact |
logo_2star 市場寿し
市場寿し/赤えび

【 Data 】

茨城県ひたちなか市湊本町21-3 [MAP]

TEL:029-263-1137

営業時間:10:00〜16:00(LO 15:30) ※土日祝は 〜17:00(LO 16:30)

定休日:元日・不定休

最終訪問:2014.09

那珂湊で夜釣りをする前に訪問した回転寿司屋だ。インターネットで収集した情報によれば、そこはネタの巨大さを売りにしている有名店であるらしかった。常時行列待ち覚悟の繁盛店ということだったが、一六時ごろに入店すると、私と同行者二名は運よく待たずにカウンターの席へと案内された。

いかにも地方の市場に併設された店にありがちな雑然とした、ちっとも寛げない、やや不潔な印象すら与える店内で働く接客係の店員たちのなかには、愛想も悪く礼儀知らずでいかにも教養のなさそうな典型的な田舎者も見受けられたような気がするが(気のせいかもしれない)、心の広い私はそんなことは気にせずに彼らにも敬意をもって接するよう心掛けた。私がそこで重視するべきなのは私に提供される寿司の品質だけだ。

飲酒運転の疑いでパトカーの警官に呼び止められるわけにはいかないのでビールを注文できないのはまったく残念なことだった。私はひとまずベルトコンベアに乗せられて運ばれていく色とりどりの寿司を乗せた皿のなかから、「赤えび」という聞きなれないネタの皿をつまみ上げた。

よく目にする甘エビのような色合いと見た目をした、ちょっとしたザリガニサイズの巨大な生のエビが、少しでもコンパクトにまとめるためか、頭部が目のすぐ先で切断された状態でシャリの上に整然と乗せられている。見た目からして甘エビの大親分といった風情だが口に入れてみるとお味も立派な大親分だ。ぷりぷりした食感を楽しんでいるうちに例のエビ特有のエキスが滲み出て来て私の舌を潤す。ひゃー、何て美味いエビなんだ!

続いてチョイスしたのはエンガワ。こちらもずっしりとした重みすら感じずにはいられない巨大なカットのエンガワがシャリの上に乗っていて、つまんで口に放り込んでみると、黒毛和牛の焼肉屋で提供される特上カルビのそれに通じる脂の甘みが口の中いっぱいにじわじわと広がっていく。今までに各地の寿司屋で賞味して来た数々の「エンガワ」のなかでそのエンガワこそが、その他のエンガワを凌駕する、まぎれもなく最上級のエンガワであった、と、私は今になってもそう固く信じている。

それから真鯛、キントキ、と続けて「生サバ」の皿を手に取る。うむ、生サバも間違いなく美味い。そのこと自体はさほど珍しい事ではない。つまり「生サバ」はたいていどこの寿司屋でも美味いものだ。最後にアジの皿を手にしたとき、半ばやけくそとも言うべきジャンボカットのアジがシャリに覆いかぶさっているのを見て私は思わず笑ってしまった。これを作った板前はよっぽど手元にあるアジをさっさと全て始末してしまいたかったに違いない。銀色に光り輝く新鮮なアジの巨大なカットを乗せた握りずしを一口でパクリと頂く瞬間こそ、何ものにもかえがたい贅沢な至高のひとときだ。

回転寿司屋にひとたび入店すると最低でも一〇皿、まぁだいたい一五皿は平らげてしまう私が、そこでは五皿も平らげれば満足してしまったのは、もちろんその巨大なネタに負うところが大きいだろう。だからお世辞にもこの店はネタの種類が決して豊富だとは言えない事実は、私にとってそれほど大きな問題ではなかった。
市場寿し/生サバ 市場寿し/真 鯛 市場寿し/ア ジ


−プッシー大尉烈伝−[美食編]に戻る >>> 
Copyright (C)2011 Lt.Pussy All Rights Reserved.