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logo_no_star 蜂屋 五条創業店
蜂屋 五条創業店/しょうゆラーメン(1)

【 Data 】

北海道旭川市五条通7丁目右6 [MAP]

TEL:0166-22-3343

営業時間:10:30〜19:50

定休日:無 休

最終訪問:2010.02

以前に旭川を訪れた際に訪問した深夜も営業している二件のラーメン屋は、「旭川ラーメン」の看板を大々的に掲げていながら、必ずしも私の食への探究心を満足させるに十分ではなかった。その時の私はスケジュールの都合から店じまいの早いラーメン屋を訪ねる事ができなかったので、その二件における結果を以ってして「旭川ラーメン」の名など看板倒れに過ぎないと判断するのは、もちろん早計であるように思われた。そんな私に、いよいよ旭川でも五指に入ると言われるラーメン屋「蜂屋」を訪うチャンスが訪れた。

インターネット上における「蜂屋」の名声はとどまるところを知らなかった。癖のあるラーメンなので好き嫌いが分かれるかもしれない、という意見も散見された。望むところだ。私は東京界隈に跋扈する、万民受けを狙ったかのような小便みたいなスープの軟弱なラーメンにはいい加減にうんざりしていた。人を選ぶかのようにひと癖もふた癖もある骨太なラーメンこそ、美食家の舌には相応しい。

夕方五時半ごろに店を訪ねると、さしもの人気店とは言え、店内は空いていた。若いアルバイト風の男に私は「しょうゆラーメン」を注文した。ビーフシチューを思わせる、ねっとりした見かけの濃厚な茶色いスープの表面のほとんどの面積を、広げられたチャーシューが占領していた。私は期待に胸を躍らせながら箸をつけた。

かなり要約してしまうと、それは「少々まろみのある醤油とんこつラーメン」の類だった。ラードで保温された濃厚スープは少々焦げた風味を醸し出していたが、その風味はラーメンそのものの味を貶めない代わりに、旨みを加えているとも思えなかった。私の席から厨房が丸見えで、チャーシューはタッパー容器に何枚も重ねて浸け置かれていたが、上の方のチャーシューには汁がしみ込んでいないらしく、私の丼に盛られたチャーシューはパサパサだった。私はチャーシューをぞんざいに扱うラーメン屋が心の底から許せない。

古くから多くの人々に支持されているラーメン屋である事は事実だから、私が仮に「蜂屋」のラーメンに満足感を覚えなかったとしても、それはただ単に好みの問題に過ぎないだろう。私は「蜂屋」のラーメンを支持する人々の舌は少しおかしいんじゃないか?なんて事を思った事はないし、これからも思わない。ひとつだけ言える事は、「癖がある」ことと「奇をてらう」こととはまったく意味が異なるという事だ。「癖がある」という意味では、「蜂屋」のラーメンよりも強烈な個性で食する人々の舌を惹きつけるラーメンはいくらでもあるように思う。
蜂屋 五条創業店/しょうゆラーメン(2)


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