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はかた風土 本店/なんこつ・ずり(砂肝)

【 Data 】

福岡県福岡市博多区博多駅東2-4-17 第六岡部ビル1F [MAP]

TEL:092-472-0210

営業時間:[月〜土・祝日前日]17:00〜翌4:00(L.O.翌3:30) [日]17:00〜翌1:00(L.O.翌0:30)

定休日:不定休

最終訪問:2010.06

博多に滞在中の私が、いい加減に博多のラーメンには飽きてしまって、インターネットでリサーチをしていて見つけた焼鳥屋だ。「竹炭焼鳥」とやらを売りにしているが、何の炭を使っていようと美味い焼鳥が出て来るならオーケーだ。私は宿泊先のホテルから一人で店に向かった。

若い男を中心に運営されている店は、とにかく活気に溢れていた。肯定的にとらえるか、暑苦しいと感じるかは人それぞれだろう。私はよほど礼を失した対応でない限りは何だってかまわない。一人で訪問している客は皆無だったが、私は意に介さず案内されたカウンター席に座った。

焼鳥を頂く事に特化した形でメンタル・コンディションを整えて入店した私に差し出されたメニューには、膨大な数の全国各地の郷土料理が網羅されていて、私は少々混乱した。少し気になるのが何品かあったが、とりあえず私は当初の想定通り、混じり気のない焼鳥屋に入店したときと同じフローでオーダーを開始した。私が賞味した何本かの串焼きは、チェーン居酒屋が振舞うような粗悪な一品とははっきりと一線を画して美味だったが、それが「竹炭」とやらの為せる業であったのかどうかは、私には判断出来なかった。

周りで宴会客が盛り上がるなか、一人で店に乗り込んだ私は少々手持無沙汰だったので、メニューと一緒に置かれた手製の冊子を開いてみた。この店の上層部の人間が実際に全国を訪問して素晴らしい郷土料理の数々を自分の舌で確かめ、それを店のメニューとして提供するまでの軌跡がまとめられていた。読み物として興味深いだけでなく、この店で提供されるあまたの料理に込められた思いや根性のようなものが伝わって来て、私はこっそり敬意を抱かずにはいられなかった。

串焼きを一通り賞味してから店員に勧められた「ごま鯖」をつついていると、カウンターに置かれたホテルのキーに目をつけた一人の店員が、どこから来たのか?と話しかけて来た。冊子に登場する人物のうちの一人である事は、写真と目の前の現物を見比べればすぐに分かった。それをきっかけに私とその店員との間で、全国各地の旅事情についての意見交換が始まった。私の旅に関する知識なんて彼にとっては全く取るに足らないものに違いなかったが、それでも彼は、酒が入って多少冗舌になった私がベラベラと並べ立てるいくつかの地方都市に関する見解の数々も嫌な顔ひとつせず聞いてくれた。まったくこの店に出かけて行って店員の対応に不愉快な思いをして帰る羽目になる客なんて一人だっていやしないだろう!

会計は四〇〇〇円ほどだったので、コストパフォーマンスは「並」といったところだったが、あれだけ膨大な数の料理に使う食材をストックしておかなければならないとなると、いかに企業努力が徹底されていても一定のコストがかかるのはやむをえないのだろう、と、私は勝手な推測をしながら店を出た。
はかた風土 本店/丸腸・はつ はかた風土 本店/つくね はかた風土 本店/えのきべーコン巻


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