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logo_3star びぜん亭
びぜん亭/ちゃあしゅうそば

【 Data 】

東京都千代田区富士見1-7-10 [MAP]

TEL:03-5276-2339

営業時間:11:30〜22:00

定休日:土曜・日曜・祝日

最終訪問:2009.04

行列の出来るようなラーメン屋が乱立する飯田橋界隈に於いて、私が美味だと思える数少ないラーメン屋のひとつだ。フレンドリーなじいさんと少々寡黙なばあさんが二人で経営されているようだ。一階は調理場兼カウンター、二階はテーブル席になっていて、一階をじいさんが、二階をばあさんが受け持っている。

この店では一般的に言う処の「醤油ラーメン」を「支那そば」と称して提供している。この「支那そば」がとにかく美味だ。何が美味かと聞かれても、とにかく美味だ、としか答えようがない。オーソドックスで取り立てて特徴のない「醤油ラーメン」なのだが、私はこれに勝る「醤油ラーメン」には本当にお目にかかった事がない。

スープは全くオーソドックスな鶏ガラスープで、麺は程よい太さのちぢれ麺だ。それ以上の説明は私には不可能だ。実際、知人を連れて行った場合の反応は概ねあまり芳しくない。彼らは、この店の「支那そば」を「普通のラーメン」だと評価する。私には、彼らが言うところの「普通のラーメン」で客を惹きつける事がどれだけ難しい事なのか、について彼らの想像力が欠如しているとしか思えない。

この店では、一般的な「チャーシューメン」は「ちゃあしゅうそば」と称して提供しているが、その「ちゃあしゅう」がこれまた秀逸だ。しっかりと味のしみ込んだ、ふっくらとしていながらとろとろの「ちゃあしゅう」と鶏ガラスープとのコンビネーションは、時として芸術的ですらある。

値段は「支那そば」が六〇〇円、「ちゃあしゅうめん」が八〇〇円だ。一般的には高いとも安いとも感じない凡庸な価格設定だが、提供される料理そのものが凡庸の域を遥かに超えているのだから、むしろその価格設定には感謝をしなければならない。

毎回そばを注文する度に、小鉢に入った梅干しが提供される。この梅干しがまたスープによく合って一緒に口にすると美味いんだぜ、と私に説明を受けた友人が、念のために店のばあさんに聞いてみると、「別々に食べて下さい」と言われたので私は大恥をかいた。


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