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盛岡じゃじゃ麺 あきを。
	【 Data 】 岩手県盛岡市大通2-3-7 CT33ビル1F [MAP] TEL：019-653-5959 営業時間：[月〜木]11:00〜03:00 [金・土・日・祝] 11:00〜05:00 定休日：無 休 最終訪問：2013.08
白龍（パイロン）ではいまひとつ「じゃじゃ麺」の魅力を体感できなかった私は、ビジネスで訪問した相手先の地元育ちの女性マネージャーの勧めに従い、もう一件だけ他のじゃじゃ麺屋をあたってみることにした。この店は立地条件と営業時間が私の行動スケジュールに都合がいいためにチョイスされた。 インターネットで事前に収集した情報のとおり、大通り（という名前のストリート）に面した店の窓は全開にされていて、真夏であるにも関わらずエアコンはまるで効いてない。その日東京へと戻る予定でおろし立てのシャツを着ていた私はたぶん一般の客より敏感に、その事実に対してむかついた。 それほど腹も減ってないので「小」の食券を買ってカウンター内の若い男に渡す。この店では麺を茹で終わるまでに必要とされる時間が「六分」である事は割とよく知られている事実らしい。果たして、その事前に私が得ていた情報通り、若い男は六分で私のじゃじゃ麺を茹であげて盛り付けを終え、白龍（パイロン）で見たのと殆ど見た目の変わらないそいつを私に差し出した。 白龍（パイロン）でそうしたのと同じように、私はたっぷり二分はかけてそいつをかき混ぜ口にした。そして白龍（パイロン）のときと同じように味の薄さに辟易とし、白龍（パイロン）でもそうしたように早速テーブルに置かれた調味料を使って私好みの味になるようアレンジをする作業を開始しようとした。 白龍（パイロン）ではたしかおろしたニンニクとラー油が置かれていたと思ったが、この店では紅ショウガが置いてある。あれ？黒味噌の入った小さな壷もあるじゃないか。白龍（パイロン）には置いてなかったぞ？私は試しにもともと乗せられて来たのと変わらない量の黒味噌をどっさりと私のじゃじゃ麺に加えてかき混ぜ、そして麺を数本箸でつまんで口にした。 その瞬間、私は盛岡じゃじゃ麺の虜になった。もともと麺とキュウリが織りなす食感のハーモニーは私好みだ。それに適切な味覚が加わればもう文句のつけようがないじゃないか！私は無料で提供される生卵をひとつ落として若い男に「ちーたんたん」を要求した。白龍（パイロン）のときと違ってベースに濃厚な味噌味が効いているその「ちーたんたん」もまた、素晴らしい味わいで私を唸らせた。 エアコンの効きにはかなり問題があるが、盛岡を再訪する事があれば私は必ずこの店に立ち寄って「盛岡じゃじゃ麺」の真髄を何度でも味わおうとするだろう。無料で提供される「ちーたんたん」も含めて総額四〇〇円だから白龍（パイロン）より五〇円安い。それにこの店では何度も背中にぶつかる婆さんのケツに悩まされる心配もない。
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